引っ越しを考える時、新築にしようか中古にしようかと悩みますよね。
「経済や立地的には中古がいいのかな」「綺麗さを求めるなら新築」など求めるものと現実を考えると思います。
新築物件と中古物件の平均価格には価格差がどのくらいあるのか、どちらがお得なのか知っておきたいですよね。
結論、新築と中古の平均価格からみた価格差は、戸建てでは1300万円、マンションでは2300万円の価格差があります。
この記事では、
- 新築と中古にかかる平均価格の価格差
- 新築と中古はどっちが得なのか
- 実際売れている方はどっちか
- 新築と中古それぞれのメリットとデメリット
- 新築と中古のチェックポイント
上記がわかります。
自分や家族の納得のいく決断をした上で引っ越し作業が進めば、気持ちよく新居を迎えられますよ。
目次
1.新居VS中古の価格差はズバリ…?

実際に引っ越す際、着目する部分といえば、費用面だということが多いのではないでしょうか。
普段の生活費にもかかわることなので、非常に重要事項ですよね。
新築戸建てと中古戸建ての平均価格からみた価格差は、1300万円、マンションでは2300万円の価格差があります。
戸建ての場合、修繕費をこめた平均価格の予想が下記の通りです。
| 新築戸建て | 中古戸建て | |
| 平均価格 | 3,972万円 | 2,630万円 |
| 修繕費 | 100〜400万円 | 100〜500万円 |
修繕費は、新築中古どちらもいずれかかるものです。
ただ、今現在で新築はかからないけど将来的には中古と同じくらいの金額がかかるとみておくべきです。
マンションの場合の修繕費を込めた費用の予想は下記の通りです。
| 新築マンション | 中古マンション | |
| 平均価格 | 5,653万円 | 3,294万円 |
| 修繕費 | 6,654万円 | 11,413万円 |
マンションでは修繕費として、5,000円の差があります。
戸建てでもマンションでも言えることは、家賃だけみると中古が安く、修繕費に関しては新築の方がお得ですね。
しかし、新築だからといって維持費がかからないわけではないので注意ですよ。
マンションであれば管理状況によっては1回目の修繕工事から修繕積立金に加えた追加徴収を求められる可能性もあるのです。
戸建てであれば、管理人がいるわけではないので、マンションよりも自ら異変に気づきやすく、頻繁な修繕が必要になる場合がありますよ。
コスト面では「物件による」というのが正直なところです。
管理状況や今後想定される物件の状態などを軽く知った上で決めておくことをおすすめします。
1-1.新築と中古はどっちが得?
新築と中古に価格差がどのくらいあるかは理解できたと思います。
それでは実際に新築と中古ではどっちが得なのかという部分をはっきりさせましょう。
新築と中古では、価格面や立地面に関して中古がお得ですが、税金や住宅ローン減税に関しては新築がお得です。
自分にとって何が一番重要なのか、それぞれありますよね。
お得な部分が異なるので、何を優先するのか、自身の生活環境ではどこの部分を重視するべきなのかを考えた上で決断して欲しいと思います。
1-1-1.価格面や立地面では断然中古がおすすめ!
築年数によっても変わってきますが、細かくみていくとだいたいどの程度安くなるのか気になるところですよね。
新築マンションと中古マンションで考えた場合の差でみていきましょう。
| 価格差 | |
| 新築VS築5年以内 | 200〜300万円 |
| 新築VS築6〜10年 | 700〜800万円 |
| 新築と築11〜20年 | 1,000万円 |
| 新築VS築21年以上 | 2,000万円 |
年数によって段階的に安くなっていくことがわかりますね。
また、中古は新築が建ちにくい、すでに生活環境が綺麗に整った最高の立地を手に入れることもできますよ。
リノベーションなどで自分なりに再構築していけば問題ないので、立地や価格重視の場合は非常におすすめだと思います。
ただし、駅近などで人気のある立地であれば住宅価格は期待するほど下がらない場合もあるため、注意が必要です。
必ず不動産会社の担当スタッフに確認していきながら決めていきましょう。
1-1-2.税金を考えると新築がおすすめ
住宅購入の際、消費税、固定資産税、不動産所得税、登録免許税など諸費用がかかってきます。
結論、上記諸費用の軽減措置をたくさん受けられるのは新築です。
諸費用の項目については変わりませんが、控除内容や加算の方法が異なってきます。
それぞれ新築と中古で比べてみてみましょう。
| 新築 | 中古 | |
| 消費税 | 建物のみに10% | 非課税 (個人が売主の場合) |
| 固定資産税 | 建物分のみ半額 (戸建て3年間/マンション5年間) | 固定資産評価額×0.3% |
| 登録免許税 | 固定資産評価額×0.4% | 固定資産評価額×2.0% |
| 不動産所得税 | 固定資産評価額から1,200万控除 | 築年数ごと控除額が異なる |
上記の通り、新築の方が税金面では安く済ませることができます。
新築や中古に関わらず、仲介業者から手数料を必要とされる場合には「物件価格×3%+6万」となり、物価価格の高い新築の方が高くつくので要注意です。
併せて、軽減措置を受けられる要件は下記のとおりです。

どう考えるかはそれぞれですが、税金を主に重視したいという場合には新築がおすすめです。
1-1-3.住宅ローン減税は中古物件では不適用?
住宅ローン減税は、住宅の取得、リフォームやリノベーション費用のローンが10年以上の場合にのみ受けられる税金控除です。

控除期間は、新築では13年間、中古では10年間となり、ローン残高の1%の税金控除が受けられます。
ただし、旧耐震基準の建物は住宅ローン減税の対象から外れる場合があります。
1981年6月(新耐震基準が開始した時期)以前に建てられた住宅を購入する場合は、耐震構造を詳しく確認しておくことをおすすめしますよ。
新耐震基準にて1981年以前の住宅が適用とみなされたことで築年数に関する要件が大幅に緩和され、中古の住宅ローン控除となる物件も増えつつあります。
新築であれば問題なく適用ですが、中古物件の場合はまずは建てられた時期がいつなのかを把握するところから見ていくといいですね。
1-2.売れてるのは実際どっち?
結論を先に言ってしまうと、新築物件よりも中古物件の方が成約率が高いです。

上記のようにアメリカなどでは8割以上が中古住宅を選んでいますが、日本は新築の人気が根強い傾向にはありました。

しかし、上記の画像を見ると、2016年を境に中古物件が新築を上回り始めています。
立地やエリアによっては多少変わりますが、数年前と比べると明らかに新築と中古が逆転していることがわかりますよね。
近年、物価高も続いている上、既存の住宅で占められていて希望する立地が手に入らない場合も多いかと思います。
そのため、価格や立地を重視した選び方をしていると推測されます。
時代とともに、不動産事情も変化していることがよくわかる結果ですよね。
2.新築と中古のメリットデメリット

新築物件、中古物件では、それぞれメリットデメリットがあります。
物件に求める条件や、優先的に考えていきたいことも、買主側によってそれぞれですよね。
新築のメリットデメリットは最新の設備によって光熱費や修繕費が抑えやすい反面、出来が違ったり初期費用が高いことが挙げられます。
中古のメリットデメリットは、実物を内見できることや初期費用が安く自由なリフォームが可能な反面、劣化具合がわかりにくく光熱費がかかりやすいことなどが挙げられます。
どこに焦点を当てるかで、見方や考え方が変わるので、ひとつずつ解説していきましょう。
2-1.新築の場合のメリットデメリット
| メリット | ・最新の設備 ・光熱費などを抑えやすい ・修繕は後回しでOK ・補助金や税金の優遇あり |
| デメリット | ・初期費用が高い ・入居まで時間がかかる ・イメージと違う出来 ・水道負担金がかかる ・仲介手数料や消費税がかかる |
不動産業界とともに、住宅の設備や断熱性、気密性、耐震性なども最新に切り替わっています。
バスルームやキッチン、トイレの設備や換気システムにも同様のことが言えるので、より新しい家の方が機能性は優れています。
さらに加えて、新しい設備ということは故障もしにくいため、光熱費が安くなります。
税金の面に関しては、中古物件でも税制優遇は受けられるのですが、より手厚く受けられるのはやはり新築です。
これからともにしていく家ですので、購入費や税金だけではなく、光熱費や維持費のようなランニングコストにも目を向けて考えておくことも重要ですね。
一方で、新築では、購入費用が高く希望の立地が叶わないことも多いのが現状です。

上記の通り、近年物価高で、購入費や建築費は上昇傾向にあるので、なかなか手を出しにくいものですよね。
いい立地というのはもうすでに家が建っていて、尚且つ土地費用もグンと上がるため、どうしても人気のない土地を購入することになります。
さらに、誰も住んだことのない新築は、騒音や近所の雰囲気、修繕計画など事前に確認することができません。
立地や周辺の利便性よりも、先進的なお家にこだわりたい場合は、新築という選択が合っているのではないでしょうか。
2-2.中古の場合のメリットデメリット
| メリット | ・初期費用が安い ・即入居が可能 ・実際の物件を見ることができる ・自由にリフォームができる ・水道負担金はかからない |
| デメリット | ・劣化具合がわかりにくい ・光熱費がかかりやすい ・手厚い保証がない場合あり |
中古はなんと言っても購入費用が安いです。
経年劣化していても、実際の実物を見てリフォームやリノベーションで好きなように快適空間を実現できます。
管理状況によって、中古物件の価値が変わっていきますので、しっかりと管理されているのかを確認してから購入を決めていくのがおすすめですよ。
例えば、外壁やひび割れが放置されたままだと建物の寿命は短くなり、修繕費や建て替えなど自らが背負うことになりますね。
現状と数年後の変化を予想しやすいのも中古物件の強みなので、うまく考えていくといいでしょう。
シロアリ検査など細かい部分も見てもらい、耐震性などもしっかりと確認しておくことをおすすめします。
水道負担金については、すでに前の住人が新たな水道を引くために支払い済みの工事費用なので、中古の場合はかかりません。
一方で、中古なのでもちろん設備は古く、目に見えない部分も含めて故障の可能性が高いです。
気密性や断熱性も弱く、無駄な光熱費がかかる場合もあるので要注意ですよ。
リフォームで最新の設備に交換することも可能ですが、後付けできない設備もあるのでよく確認してから決めるようにしましょう。
担当のスタッフによく見てもらい、中古物件を決めていくにあたって何が最善かを聞いておけると判断材料になりますね。
3.新築と中古のチェックポイントは?

新築でも中古でも、それぞれメリットデメリットがあるのであれば、事前にチェックポイントを把握しておけばデメリットを補うこともできますね。
見落としがちな部分も含めて考えていけると、余裕を持った気持ちで新築や中古の選択ができるはずです。
各チェックポイントをまとめた表を下記に記します。
| 確認すべきチェックポイント | |
| 新築 | ・今後先進的な地域になりそうか ・アフターサービスの程度 ・図面通りの仕上がりか |
| 中古 | ・修繕状態 ・建物の耐震性 ・売却理由がなにか |
何に注意して選んでいけば良いか、後悔しないようしっかりと把握した上で物件探しをしていけるといいですよね。
3-1.新築のチェックポイント

新築を選んでいく際に、絶対に把握しておきたいチェックポイントを3つ挙げます。
- 周辺の環境や今後先進的な地域になりそうか
- アフターサービスの程度
- 図面通りの仕上がりか
いくら新築とはいえ、どこかしらで自身の条件と真逆だったりと妥協点も出てくるはずです。
どのポイントを優先するのか考えながら、探していくことをおすすめします。
3-1-1.①周辺の環境や今後先進的な地域になりそうか
公共交通機関やスーパー、病院、学校などが自宅からどのくらい離れているのか、治安なども事前にチェックしておく必要があります。

上記画像の通り、犯罪の多い地域も存在するようなので、お子様がいる家庭は併せて確認しておくと便利ですよ。
今後、近所が再開発された場合、利便性の向上とともに地価も上がるため将来的に土地を高く売れる可能性も考えられるため、余裕があれば聞いておくこともいいかもしれませんね。
現在のことを考えるか、将来のことを考えて選んでいくのか、自身のライフスタイルに合わせて検討していきましょう。
3-1-2.②アフターサービスの程度
新築住宅を供給する住宅事業者は、平成12年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の設計ミスや施工ミスによる欠陥(瑕疵)に関して、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負っています。
引用:住宅瑕疵担保責任保険協会
新築の場合、事業者の担保責任が10年間ありますが、そこで賄いきれない部分の定期検診や対応を不動産会社がアフターサービスとして実施しています。
担保責任は住宅の基礎構造の部分にしか適用されないため、不動産会社によるアフターサービスの程度は非常に重要です。
いくつか不動産会社を比較し、手厚いアフターサービスのある会社を選んでいきましょう。
満足につながり、後悔せずに気持ちよく引っ越すことができますね。
3-1-3.③図面通りの仕上がりか
こちらは引越し直前の話ですが、せっかくの自分で考えた内装です。
いざ出来上がりを見てみると、「なんかイメージと違う?」と後悔することが多々あるようです。
長く住み続けてから「やっぱりここ変?」と気にし出すより、頻繁にチェックしに出向き、逐一担当の者に確認していくことが重要です。
後々、後悔して、再度引っ越したくなるような気持ちを持たないよう、厳密に見ていけると理想ですね。
3-2.中古のチェックポイント

中古を選んでいく際に、絶対に確認しておきたいチェックポイントを3つ挙げます。
- 修繕状態
- 建物の耐震性
- 売却理由がなにか
すでに以前住んでいた人がどんな人なのか、どんな使い方をしていたか、気になることは聞いておきましょう。
また、近年災害が多いため、耐震性はどうかも確認しておくと安心ですよ。
自分にとって最高の中古物件を手に入れちゃいましょう。
3-2-1.①修繕状態
適切な時期にしっかりと処置されているかどうかで、購入後のメンテナンス費用は変わるため、外壁や基礎部分の破損などチェックを怠らないようにしましょう。
築年数が経てば、建物は劣化していくことは当たり前なので、住み始めてからも色々と出てくることがあります。
引越し時にはできるだけ修繕された状態で住み始めたいですよね。
自分と家のために、細かいひび割れなどをくまなく確認していけるとベストでしょう。
3-2-2.②建物の耐震性
近年、災害が増えており、万が一に備えてしっかりと耐震性は確認しておくべいです。
旧耐震性基準とは、「震度5強程度の中規模な地震で倒壊しない建物を作る」ことを目的にしています。新耐震性基準は「震度6強〜7の大地震で倒壊しない建物」に変更されています。
特に、1981年以前に建てられた建物においては、旧耐震基準しか満たしていない可能性もあるので、必ずいつ建てられたものかを把握しておきましょう。
1981年以降に建てられていれば、新耐震基準が適用され、住宅ローン控除につながる可能性がありますよ。
家族の安全に影響するので、耐震性の程度はあらかじめ把握しておくといいですね。
3-2-3.③売却理由がなにか
売却理由によっては、住み始めたら起こり得るリスクを想定できる可能性もあるので、物件を決定するための判断材料になります。
転勤や住み替えなどを理由にしていれば問題ありません。
しかし、騒音などが原因であれば、自身が住み始めた場合住宅周辺の環境やご近所でトラブルになりかねません。
より安心して暮らしていくためには、環境に問題がなかったのか、確実に判断ができることになるので聞きておいて損はないですよ。
4.まとめ

- 新築と中古の平均価格からみた価格差は、戸建てでは1300万円、マンションでは2300万円の価格差がある
- 新築と中古では、価格面や立地面に関して中古がお得ですが、税金や住宅ローン減税に関しては新築がお得
- 新築物件よりも中古物件の方が成約率が高い
- 新築のメリットデメリットは最新の設備によって光熱費や修繕費が抑えやすい反面、出来が違ったり初期費用が高いことが挙げられる
- 中古のメリットデメリットは、実物を内見でき初期費用が安くリフォームが可能な反面、劣化具合がわかりにくく光熱費がかかりやすいことが挙げられる
- 新築のチェックポイントは、周辺環境が今後発展していくのか、アフターサービスの手厚さ。図面通りの仕上がりになっているかが挙げられる
- 中古のチェックポイントは、外や中の修繕状態や耐震性、売却理由が何かなどが挙げられる
新築と中古の価格差は、物件選びの基準を大きく左右します。エリアや築年数、管理状態などによって驚くほど変わるものですよね。
どちらが「正解」というよりも、家族のライフスタイルや将来設計にあった選択が大切です。
迷った際は、気になる物件を比較しながら、一緒に適切な答えを探していきましょう。
あなたの理想の住まい探しが、より前向きで楽しいものになりますように。


